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リスクの本当の意味【転職・起業・人生のあらゆる選択】


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Backstreet Life | Backstreets are charming. I like the alley… | Flickr

今回は人生のあらゆる場面に存在する"リスクの本質"について持論を展開していく。

リスクという言葉は、あらゆる人の思考・行動をストップする魔法のような言葉だ。就職・転職・起業といったキャリアから、進学・結婚・出産などプライベートまで、人生は決断の連続だ。そして決断の度、僕たちはリスクを考え、リスクに怯え、リスクを避けるために、正しい選択、正しい道、正しい答えを見つけ出そうとする。今回は多くの人が見落としている"リスクの本当の本質"と、人が大きな選択や決断を前にしたときに引き起こしてしまう"人間の習性"を話していく。

リスクを恐れ、何かを決断したり行動を起こすことが苦手な人は読んで欲しい。

 

リスクの本当の意味を知っているか?

さて、そもそもリスクとはいったい何だろうか?一般的にリスクは「失敗する可能性が高いこと」として扱われることが多い。起業で失敗したり、事業で失敗したり、投資で失敗したり、こういう普通の人では成功できない「失敗する可能性が高いこと」を、僕たちは総じて「リスク」と呼ぶ。だから僕たちは起業をすることはリスクだと総括りしてしまう。

だが覚えておいて欲しい。リスクは失敗する可能性が大きいことでは決してない。リスクの本当の意味とは「自分自身が受ける損失やダメージの大きさ」だ。たとえ失敗する可能性が高いことであっても、失敗して致命傷を受けないものであれば、それはリスクではないのだ。

致命傷の正体とは?

では、ここでいう"致命傷"とはいったいどのようなものか?これはその人の価値観によるので一言では表せない。言うなれば「こういう状況になったら死んでも耐えられない」とあなたが本気で思う状況のことを指す。

ある人にとっては年収が100万下がることが死んでも耐えられないことであり、ある人にとっては年収が100万円でも生きてさえいればOKということがある。また、ある人にとっては自分の趣味の時間がなくなることが耐えられないと感じるが、ある人にとっては家族との時間がなくなることが耐えられないと感じる。

つまり、「死んでも耐えられない」と自分自身が感じることを明確にし、その事態を発生させないための予防線を徹底的に講じることが、リスク回避の本当の方法なのだ。人が一般的に思いがちな「失敗する確率が高いこと」や「起業自体」はリスクでもなんでもないのだ。

自分にとっての致命傷の境界線を明確にすることで、今までの人生において自分が漠然かつ極端に捉えていた「リスクある行動」というものが、実は「リスクない行動」に変わることは多々ある。境界線を明確にした上で行動に移せている人というのは、思っている以上に世の中には少ないのが現状だ。

 

リスクを前にしたときの人間の思考・行動心理

リスクに関して興味深い話があるので紹介する。人は大きなリスクを目の前にしたとき、「ある行動・思考パターン」をしてしまいがちであり、この思考・行動パターンこそが致命傷を引き寄せる大きな原因となっているのだ。

ここではリスクのイメージが最もしやすいであろう起業を題材に、起業を志している一人の若者の事例を挙げて説明していく。

とある街に起業を志す若者がいた。彼は起業をしたかったが、失敗するリスクを考え、その一歩を踏み出すことができなかった。決断できず、時間だけが経過していった。そこで彼は「成功した起業家の特徴」を徹底的に調べ上げた。すると、起業家は「勇気があり、ポジティブで、決断力がある人」という情報をいくつも見つけた。「これこそ起業家の資質だ!」彼はそう感じた。

更に、起業家が何のスキルを身につけ成功したか、彼は徹底的に調べた。すると「起業家は営業力があり、マーケティングができて、会計の知識がある人」という情報をいくつも見つけた。ここでも彼は「起業家に必要なスキルは営業力・マーケティング力・会計力だ!」と確信した。

彼は全ての資質・スキルを身につけ、100%の確信を持って起業した。だが、彼の作った会社は起業して数年で廃業した。彼は信じられなかった。自分は起業家の資質もスキルも兼ね備えたのに、なぜ失敗したのかが最後までわからなかった。他の成功者と自分の違いがわからなかった。

この物語は、一見すると正しいステップを踏んでいるように見える。起業で成功するためにスキルや資質を磨くことは極めて重要なことだ。僕もこの点には多いに賛同する。だが彼は、リスクを前にした人が起こす"典型的な人間の習性"をここで引き起こしている。

起業で成功した・失敗した人の特徴

そのことを理解するためには、「成功した起業家」と「失敗した起業家」の特徴を見比べるとわかりやすい。両者の特徴は次の通りだ。

  • 起業で"成功"した人の特徴:営業力があり、マーケティングができて、会計の知識がある人
  • 起業で"失敗"した人の特徴:営業力があり、マーケティングができて、会計の知識がある人

起業で成功した人の特徴は「営業力があり、マーケティングができて、会計の知識がある人」であるのに対し、起業で失敗した人の特徴は「営業力があり、マーケティングができて、会計の知識がある人」だ。

おかしな点に気づいただろう。そう。特徴が同じなのだ。ここに、僕たち人間がリスクを前にするとしがちな「2つの人間の習性」が隠されている。

人間の習性1: 人間は過去の経験や事例を過大評価しすぎる

1つ目の習性は、僕たちが「過去の経験や事例を過大評価しすぎる」点だ。過去にうまくいった事例を見つけて持ち上げ、「この通りにやれば100%うまくいく」とか、「過去にはこんな失敗はなかったから今回も失敗しないだろう」と決めつける。そして厄介なのが、今回の若者の起業の事例のように、リスクと感じる度合いが大きければ大きいほど、この思考は顕著に現れるのだ。

例を挙げよう。今の50,60代世代が若かった頃は、大企業に入り、そこで働くことが失敗しない生き方だった。そしてその過去の事例を信じ、「大企業に入ればリスクはない。安泰な人生が得られる」と思う人がいる。果たして本当にそうだろうか?

景気に関して言えば、「オリンピック前の東京の経済成長は凄かった。だから2020年の東京オリンピックも同様の効果が必ず生まれる」と信じてやまない人がいる。果たして本当にそうだろうか?

自分が生きている人生の時間で戦争を経験していないから、「これから先も自分は戦争に関わることはない」という前提で生きている。果たして本当にそうだろうか?

確かに、過去の経験や事例は未来を考える良い題材とはなる。だが、それ以上に世界は"複雑"だ。現代と過去はあらゆる要素が違い、あらゆる要素が非対称であり、あらゆる要素が複雑に混じりあって構成されている。つまり、100%など存在しないのだ。

一見、リスクを抑えようと行動をしている人の多くが、過去の事例を"過度"に評価する余り、「致命傷に対する予防線を張りきれていない」のが問題なのだ。言い換えれば、「過去に進んできた道に落とし穴がなかったことを目視して安心し、その後にある吊り橋を目をつぶったまま渡るような行為」だ。

人間の習性2: 人は結果から理由を後付けする生き物

起業で成功した人の特徴と起業で失敗した人の特徴は同一だったが、同一である理由こそが、リスクを前にしたときに現れる2つ目の人間の習性だ。

大事なことなので覚えておいて欲しい。「人はどんなことでも結果から理由を後付けできる生き物」であり、「世の中の大半のことは理由付けが後からできてしまう」のだ。

起業で成功した人がいればその人の特徴を探り、「あの人は勇気があったから成功した」とか「あの人は営業力があったから成功した」と後から成功の理由付けをする。果たして本当にそうだろうか?

株式市場が暴落したときは、「この波長はかつてのこの時期と似ていた。よって、暴落することは予測できた」と理由付けする。果たして本当にそうだろうか?

世の中の大抵のことには理由付けができてしまうのだ。「起業をして失敗するのはリスクだ。だから起業家が成功した要因を調べてやれば必ずうまくいく」「過去の株式市場の傾向を参考にしよう。その通りにやれば必ずうまくいく」という風に、過去の経験や歴史を過大評価し、もっともらしい理由付けをして納得してしまうことこそ、実は本当の意味で最も危険な行為なのだ。

このように、人はリスクを前にすると過去の経験や事例を過大評価し、更にはそれが正しいかのような後付けの理由を付けてしまうのだ。そしてその理由付けはほとんどの場合辻褄があってしまうので、人はそれを信じてしまうのである。これが、リスクを前にした人間心理のカラクリだ。

 

 リスクとの向き合い方【キャリア・転職・人生において】

では僕たちはどのようにリスクを捉え、どのようにリスクと向き合っていけば良いか?ここに僕が考える「リスクを最小限にコントロールするための具体的なステップ」を挙げる。

リスクを最小限に抑える方法

  1. 考えられるリスクを全て書き出す
  2. リスクの大きさを順番に並べる(自分にとって何が致命傷か?)
  3. リスク順位が高い項目に対する予防線を徹底的に張る(どうすれば致命傷を負わずに済むか?)
  4. 小さなリスクは恐れず行動する(小さなリスクは致命傷とはならないし、何度でも復活できる)
ステップ1: 考えられるリスクを全て書き出す

まず、自分にとってのリスクを考えられるだけ書き出そう。

先ほど例を挙げたが、ある人は年収が100万円減ることをリスクと捉え、ある人は年収100万円でも生きていればOKだと捉える。また、ある人は休日に趣味の時間が取れないことをリスクと考え、ある人は休日に家族との時間が取れないことをリスクと考える。このように、リスクとは一言で表せるものではなく、一人一人にとって異なるものだ。

まず、自分の人生にとってリスクとは何かを真剣に考え抜こう。ここを疎かにしてしまうと、本当に大切なモノに気づかず、一度きりの人生取り返しのつかないことにもなり得る。

 

ステップ2: リスクの大きさを順番に並べる(自分にとって何が致命傷か?)

リスクは書き出したら、必ずそのリスクが与える影響の大きさを考えよう。リスクの大きさを考えるポイントは先ほど話した、「何が自分にとって致命傷となり得るか?」だ。自分にとっての致命傷こそ、最も避けなければいけないリスクの正体だ。 

参考までに、僕の人生にとって致命傷となるリスクは2つある。1つ目は「一度きりの人生の時間を無駄に使うこと」だ。僕にとっては家族との時間、大切な友達との時間が何より大事であり、毎日やりがいや働きがいを持って生きることが人生の軸なのだ。だから僕は、ただ給料が良いだけで自分が好きじゃない仕事には絶対につかないし、ただ辛いだけで成長のない仕事で身を滅ぼすこともしない。これらは僕にとってリスクの高い行動であるからだ。

2つ目のリスクは「自分や家族が食べていけなくなること」である。どんなに自分や家族との時間を大切にしたくても、家族を養っていくだけの収入は絶対条件だ。だから僕は目をつぶったまま橋を渡るような形で、勢いと見込みだけで起業をするつもりはない。

 

 

ステップ3: リスク順位が高い項目に対する予防線を徹底的に張る(どうすれば致命傷を負わずに済むか?)

リスクを影響の大きさ順に並べたら、致命傷となるリスクに対して、徹底的に予防線を張ろう。

例えば「食べていけなくなること」が最大のリスクである僕は、一つの収入やスキルに依存することは決してしない。英語のスキルを身につけ、プログラミングやITのスキルを身につけると同時に、ビジネスパーソンとしてどこでも通用するコーポレートキャリアとパーソナルキャリアを築いていく。

関連記事:【英語勉強法】ネイティブレベルの英語を最短かつ効率的に習得する方法をまとめた

関連記事:"プログラミングを学ぶ3つの必要性"と"プログラミングでできる3つのコト" 

 

ステップ4: 小さなリスクは恐れず行動する(小さなリスクは致命傷とはならないし、何度でも復活できる)

小さなリスクに対しては過剰に怯える必要はない。例えそれが起こったとしても影響が小さいからだ。小さなリスクのみを伴うことは、怖がらずにチャレンジしよう。

例えば、もし僕がいま給料は良いが、人生の時間を無駄に使っていると感じる仕事についていると仮定するなら、たとえ収入が下がったとしても、僕はすぐに会社を変えるだろう。なぜなら僕にとっては「一度きりの人生の時間を無駄に使うこと」のリスクが大きく、「収入が下がる」ことのリスクは小さいからだ。

このように、リスクの大きさを比較して考えることで、小さなリスクに対しては恐れることなく飛び込むことができるようになる。

 

最後に

大きなリスクに対しては徹底的に臆病になろう。経営者や起業家といった大きなチャレンジをしてきた人を身近に持つとわかるが、彼らはハイリスクなことに対しては物凄く臆病だ。それでも彼らの決断が異常なまでに早いのは、リスクの境界線が明確であり、ハイリスクのものとローリスクのものが一瞬で判断がつくからである。

自分にとって何が大きなリスクで何が小さなリスクか。この基準を明確にすることで、人生の選択肢はまちがいなく広がる。今まで過剰なまでに小さなリスクを恐れ、やりたいことにチャレンジできない人にとって、今回の記事が参考になれば幸いだ。

参考までに、リスクについての本はブラック・スワンが最も的確かつ本質を抑えているので紹介をしておく。経営や投資、ビジネスをしている人は一度読んでおくと良い。