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【アフリカ経済】現地で働いていた僕が肌で感じた"アフリカだけ"が発展しない明確な理由


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2017.4.16更新

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jambiani, zanzibar | Andrea Moroni | Flickr

アフリカが大好きだ。地球の最後のフロンティアと呼ばれる広大な大自然、独特な文化、そしてそこに暮らす人々、全てが大好きだ。そんな僕にアフリカを語らせると大抵良いことを言ってしまうものだ。でも今日は敢えて"アフリカが抱えている深刻な問題"についてお話しする。

一度考えてみてほしい。世界には多くの貧困国がある。東南アジアや南米は発展していき、中間所得層の割合が増えている。でもなぜ、アフリカだけはいつまで経っても発展しないのか?なぜ発展途上国のままで援助や支援が必要な状態なのか?着実には成長している。でもはっきり言って他の地域では考えられない遅さの成長だ。

僕は昔から謎だった。なぜ地球最後のフロンティアはいつまで経ってもフロンティアのままなのだろうと。でもアフリカで実際に住み、現地の人と仕事をし、関わり、やっとその意味が少しわかった気がする。

今回は僕が感じた「アフリカが発展しない理由」を述べていく。アフリカが発展しない理由は大きく2つある。

1. "圧倒的貧困"が生んだ大きすぎる弊害

アフリカには"圧倒的"な貧困層が多数存在する。このことが、副次的に多くの弊害を生んでいるのだ。細かく挙げていく。

教育を受けていない人の絶対数

まずアフリカには教育を受けれていない人の数が圧倒的に多い。教育を受けることができない理由の1つがお金の問題だ。お金がなければ、それを望んだとしても教育を受けることはできない。一方、それでも一定の割合で教育を受けている人が存在するのも事実。アフリカ経済の発展を分析するためには、教育を受けていない人と教育を受けている人の両者の現状を知らなければならない。この両者2つに分けて考えてみよう。 

教育を受けたことすらない人達

まず、学校教育自体を受けたことがない圧倒的貧困の数がアフリカには多過ぎる。彼ら彼女ら教育を受けていない人にとって一番の問題は「仕事がない」ことだ。アフリカには仕事がない人の割合が多い。それは日々暮らしている日常でも頻繁に目の当たりにできるレベルで存在する。

僕はアフリカに暮らしていたとき、毎日学校に行けない子供を見ていた。彼らは家の前で時に座り、時に歩き、時に遊び、教育を受けないまま大人に育っていく。そうして育った大人はどうなるだろうか?もちろん仕事はない。でも何かを食べて生活を繋いでいかなければならない。すると彼らは道で拾ったものを売ったり、物乞いになる。それでも生活できない。すると人は残酷なことに「奪う」という選択肢を視野に入れ行動するようになる。「与えられないなら奪うしかない」、こうして犯罪に手を染めていく。

言うまでもなく、これらの子供の将来の姿は、彼らの現在の親の姿である。 

教育を受けたことがある人達

一方、大学の手前まで教育を受けたいわゆる中卒・高卒程度の人も一定数存在する。そういう人はなんとか仕事は見つかる。でも決して良い仕事とは言えない。良い仕事はお金に恵まれた本当に一部の子供だけが、本当に良い大学を出て就けるものだからだ。

たとえ教育を受けていたとしてもその質が低いため、それが直接的に国内経済の発展に繋がっていかないのである。僕が接してきた中卒・高卒レベルの人は概して、日本人であれば誰でも簡単にできる単純なことすらなかなかできない。当たり前のような算数もできない。もちろん中には生まれながらにして持っている地頭の良さや努力で成り上がっていく人もいる。しかし、それでも有能な人材が異常に少ないのは僕が現地で体感したところだ。

 

社会秩序の欠如

圧倒的貧困のために教育を受けていない人は、そもそも社会秩序という概念を持っていない。アフリカで暮らしていた際に驚いたエピソードがある。それは戦争の話になったときのことだ。アフリカで教育を受けていない人たちと自国の戦争について話をしていたとき、僕は第二次世界大戦の話を引き合いに出した。すると、彼らは第二次世界大戦のことを全く知らなかったのだ。日本人であれば第二次世界大戦のことを知らないことはまずないだろう。だがアフリカでは知らない人が多く存在するのが事実なのだ。

これが引き起こす大きな問題、それは「過去の過ちを繰り返す」ことである。過ちの代表例は戦争である。人は戦争を経験すると、二度とそれを繰り返さないように誓う。だが時が経つと、今度はその戦争を経験していない新しい世代がまた戦争を繰り返す。これが歴史というものだ。いつの時代も繰り返している歴史である。

そして、この繰り返しの歴史を防ぐ方法こそ「教育」であり、言い換えれば「後世に歴史を伝えていくこと」なのである。アフリカの人たちは世界で過去に何が起きたのか、何が悪いことなのか、何が良いことなのか、その教育や歴史を先人から伝えてもらっていない。つまり、その判断基準がないのだ。戦争をするとどういうことになるのか、犯罪をするとどうなるのか、その歴史や結果を知らないから、判断基準がないのである。

彼らにとっての世界は自分の家の周りだけだ。過去も未来も世界も、何もかも別世界なのだ。自分の周りにあるものだけで判断基準や価値観ができる。これほど恐ろしいことはない。彼らの周囲には同じように教育を受けていない圧倒的貧困者がたくさんいる。つまり、周囲の人が当たり前のように犯罪に手を染めていたら、それが彼らにとっては当たり前のこととなるのだ。一部の地域では、僕らが当たり前に学校へいくように、当たり前に犯罪をしにいく価値観が生まれているのだ。

継続的な経済発展に社会秩序は必須である。社会秩序がなければ、暴動や戦争も起きやすく、経済発展どころではなくなる。実際にアフリカの一部地域では未だに多くの暴動や戦争が繰り返し引き起こされていることが全てを物語っている。

 

生命の価値の低さ

生命は尊いものだ。日本人の僕らはそう教えられて育ってきた。しかし、アフリカにおける生命の捉え方は違う。命の価値の低さが異常なのだ。

それを象徴する1つのエピソードがある。南アフリカで、誤って人を交通事故で死なせてしまった場合の罰則だ。なんと少しのお金(数十万)を払えばそれで解決してしまうのだ。日本ではあり得ない。アフリカで最も経済的に発展していて欧米並みのインフラを備えている南アフリカでさえもこうなのだ

アフリカではHIVが流行しているが、自分の子供がHIVにかかりその治療薬を得た場合、彼らはその治療薬を売り、自分たちの生活費に充てることも往々にしてあるという。もはや日本の価値観とは別次元の価値観である。そういう価値観が当たり前の世界で生きている人が多数存在するのだ。

 

2. 有能かつ自国民意識を備えた指導者の不足

アフリカには有能かつ一般的モラルを兼ね備えた指導者がいない。ここでいう有能な指導者とは、アフリカを成長させるため具体的かつ効果的な策を打ち出し、諸外国とともに協力して自国の発展に行動することができる指導者のこと。自国民意識を兼ね備えたとは、自国民の代表として職務を全うする気概を持つことだ。

残念ながらアフリカにはこのような指導者の数が圧倒的に少ない。いくつかの国では、海外から得た援助の金を私利私欲で使いきってしまう国の指導者が存在する。彼らの主張は、アフリカが発展しないのは過去に欧米がアフリカを植民地にしたのが原因で、アフリカは欧米から援助をもらって当たり前というものである。歴史的正当性を打ち出し、諸外国から援助の金を吸い上げ、それらを私利私欲で使ってしまうのだ。これでは国が発展するはずがない。指導者が甘い蜜を吸って終わりである。

これの最たる例はアフリカ南東部の王国スワジランドだ。スワジランドの王の私利私欲な散財は有名だ。スワジランドの王には13人の王妃がいて、王はそれぞれの王妃らに宮殿や高級車を無駄に与えている。海外に遊びにいく時は数億円単位で買い物をし、議会の反対を押し切って40億円近くの自家用飛行機を買う。数億円、数十億円単位の金が王によって私欲のため使用されるのに対し、国民の7割は1日1ドル以下の生活費で暮らす。明らかに異常だ。でも事実だ。

 

いまアフリカに最も必要なもの

書いていて苦しい思いであったが、これがアフリカの実情だ。この状況ではアフリカ経済の全体底上げは難しい。では何がアフリカに必要なのか?それは「誰でも受けられる高品質な教育環境の徹底」である。

正しい教育を受けることで良い仕事に就くことができる。正しい教育を受けることで、社会の成り立ちを理解することができる。正しい教育を受けることで、社会秩序を理解することができるのだ。いまアフリカに最も必要なものは援助ではない。ボランティアではない。彼ら一人一人が自立していける教育環境整備こそ、いまアフリカに最も必要なコトである。

 

誤解して欲しくないこと

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Tonga soa ! (par Franck Vervial) | Madagascar 2011 (new crop… | Flickr

今回はアフリカの抱えている深刻な問題についてお話した。でも誤解をしないでほしいことは、これがアフリカの全てではないということだ。アフリカにも日本人以上に一生懸命仕事をしている人はいるし、家族や知人を愛する人もいるし、生命の尊さを感じている人も山ほどいる。笑顔を忘れず前向きに生きている健気な子供もたくさんいるのだ。

人間の持つ習性で僕が思う怖いものは「固定観念」だ。一度こういう話を聞くと「アフリカは危険だ」と一緒くたに捉えてしまう人がいる。でもそれは本質ではない。確かにアフリカには挙げてきたような問題が存在する。ただそれが全てでない。悪名高い北朝鮮も、アフリカの内戦国も、心が美しい人は確かに存在する。僕も貧困地域でそういった美しい心を持った人に出会ってきたから、肌で感じていることだ。地球の素晴らしさを感じる美しい場所がアフリカには多く存在しており、皆さんにも現地に赴いてそれを肌で感じて欲しい。クラブツーリズムはアフリカ向けのツアーがたくさんあるので、自分の目でアフリカを感じる素晴らしい旅になるだろう。

日本とは異なる価値観を持つ人たちにも根本的な罪はない。元を辿れば、生まれ育った環境がそうさせているのだ。だからこそ世界は、アフリカの現状と真剣に向き合わなければならない。でも今回挙げてきた要因が事態を複雑にしている。アフリカの経済発展はいつになるのだろうか。

 

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